エレクトロニカ・シーンの盛り上がりを決定的なものにしたオウテカの通算6枚目にあたるアルバム。マンチェスター出身のショーン・ブースとロブ・ブラウンによる、緻密で斬新(ざんしん)なエレクトロニック・サウンドは、多くのフォロワーを生み続けている。 波打つ独特のシンセ音に重いリズムトラックがからむオープニング、以前シングルをリミックスしたイースト・フラットブッシュ・プロジェクトのラップを細かく切り刻んだ不穏な雰囲気の、インダストリアルでヘビーなリズムが現れては消えるはオウテカ流ドリルン・ベース。エンディングは、水面を叩く音からビートを構成したメランコリックなトラックだ。 徹底してアヴァンギャルドで、挑戦的なつくりだが、決して聴き手を限定するものではないこのアルバム。レディオ・ヘッドのトム・ヨークが本作にインスパイアされ『KID A』を制作したというのは有名なエピソード。このクリエイティビティに富んだサウンドを一度は体感してみることをすすめたい。(山田次郎)
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